医師の転職―修練―『石の上にも三年』
『石の上にも三年』という言葉があります。つらくても辛抱して続ければ、いつかは成し遂げられる。中堅若手のドクターによって、キュアリアップを図り、名声なり、その道のプロになるためには、3年は我慢と辛抱が必要です。
まずは、行先選びからです。これは非常に大事です。自分の人生をかけるわけですから。先進医療であれば、日本全国でリサーチし、例えば、〇〇学会に入っていれば、総会を開いた、学会で目立つアクティビティをしている。これは参考になります。論文もPubMedで検索できます。外科系であれば、手術手技の巧拙、ターゲットを決めれば、あとはアプライするだけです。これは、転職サイトを活用することは、ほぼ無いかもしれません。
教授あるいは診療科長に直接メール出す。レターを出す。医局長に連絡する。手段は直接がいいです。想いを込めたメールなり手紙を出すことが重要です。「〇〇先生の元で、医師人生をかけたいです。歩みたいです。」琴線に触れる言葉が重要です。
そういったレターを受け取った側は、うれしいこと以外にありません。そして、採用となるわけですが、ここからが勝負です。『石の上にも三年』の生活が始まります。まずは、当然下働きで、目にかけてはくれません。ひたすら我慢と辛抱です。そのうちチャンスがやってきます。そのチャンスを最大限に生かすのです。「今度、○○学会があるんだけど、このテーマで演題を出してみないか?」「今度、○○の手術を執刀で!」、こういったチャンスに全力を注ぐのです。そうすると、次から次に加速度的に依頼が舞い込んできます。そうすると、キャリアアップのレールにしっかりと乗っていきます。
3年あれば、人(教授や診療科長や上司)からの医師としての評価は100%決まります。アクティビティの高い組織で評価されれば、その後の医師の人生は安泰と思います。
私の知り合いに、30代前半でUSMLEステップ1/2を取得し、アメリカに臨床留学したドクターがいました。メールは「何でもするから、雇ってください。」でした。その言葉通り、何でもさせられたようです。看護師からの英語はわからない。出だしは、わからないわからないの連続だったようです。家族は、相手にされないので、1年後に先に日本に帰国しました。最初の3年間は馬車馬のように家に帰る暇がないほど働かされ、3年後に日本帰国をボスに示唆したところ、assistant professorへの昇進と年収5倍を提示され、12年後にはProfessorとなり、今はある領域の大学付属病院の主任教授(Director)になりました。
「日本と米国ではシステムが少し違うんじゃない?」と思う人もいるかもしれませんが、基本的には一緒です。努力なくして、我慢辛抱なくして大成したドクターはいません。
医学博士は最近、「足の裏の米粒だ!」=「取らないと気持ち悪いが、取っても食えない」という意見もありますが、やっぱりあった方がいいです。リサーチで英語論文をたくさん読み、英語論文を書くことで、医師としての深みと幅が出ます。医学博士を取得していないドクターは、「医学博士とは?」のテーマで話はできません。急性期病院での診療科長はやはり医学博士は必要です。
専門医の取得もそうです。専門医は、今後さらに必須の医師の持つべきアイテムとなります。未だ、日本では専門医の優位性を診療報酬点数に反映されていませんし、給与にもあまり反映されていません
専門医を全く持っていないドクターが、例えば胃がんに対して腹腔鏡下幽門側胃切除をしても、外科専門医、消化器外科専門医、内視鏡技術認定医を取得しているドクターが、腹腔鏡下幽門側胃切除をしても、点数が同じ、給与が同じというのは誰が考えても明らかにおかしいです。
日本の医療は米国に追随しています。社会医療保険費が増大する中、日本の社会主義的医療制度にメスが入れられないままとなっていますが、やがて米国のようになると思っています。
覚悟を決めて、転職して3年経っても「合わない」、「もうこれ以上無理だ」、と思えば、次のステップを選択しやり直せばいいだけです。
まとめ
転職サイトの選択と有効活用をご紹介します。転職サイトを活用するに当たり、5つのポイントがあります。
- 複数(できれば3社以上)の転職サイトへの登録をおすすめします
- ご紹介する転職サイトは匿名・非公開求人も多く、キャリアップ、収入アップ、ドクターの要望に適格に応えるでしょうし、信頼できると思います
- 医師の需給バランスは、まだまだ売り手市場(有効求人倍率約7倍)であることを肝に銘じてください
- 転職に当たり、譲歩・妥協はおすすめしません
- 最終的に複数の転職サイトからの案件を比較・検討し、転職を成功させてください
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