医師4,000人調査!医師の転職理由は大別して6つ
転職を考える医師にとって、他の医師がどのような理由で転職するかは気になるところ。しかし、センシティブな情報であるだけに、面と向かってはなかなか聞けないものです。エムスリーキャリアが、転職支援を支援した医師4,000人からアンケートを取り、分析しました。
医師の転職理由は十人十色
分析調査では、エムスリーキャリアに相談した医師の転職理由を20項目に分類。あてはまる理由を事例ごとに複数回答で集計。その結果、上位10位の回答率がいずれも10%前後と、ばらつきのある結果となった模様です。
(複数回答、2015年4月1日から2016年3月31日までにエムスリーキャリアに転職の相談を寄せた医師4,000人が対象)
上記のデーターを元に、外科医T-boが経験値もとに分析してみました。
1の過剰な業務負担・リスクの解消(14.9%)と3の加齢に伴う業務変更の必要(11.4%)は、一括すると“ちょっと今の現場では仕事がきついよね”となります。“もう少し楽して、ワーク・ライフ・バランスを確保して、趣味にも時間を活用して、家族との時間を大事にして、一方では収入もしっかり確保して”といった背景が目に浮かびます。
“もう少し若ければ”、“資格取得に邁進している”、“とにかく医師としてのプロフェッショナリズムを磨いている”ドクターには、まず関係ない理由となります。
この理由により、転職を決定づけるのが、精神的・肉体的回復不能な疲弊だと思います。何とか勤務がぎりぎり状態であったとき、最後の一押しが、上司からの一言であったり、入院をするような病気でああったり、ひと時の休暇日で客観的にこれまでの医師人生を振り返る瞬間であったりするわけです。
よくわかります。
私は、この理由での転職経験はありませんが、周りには、結構ありました。外科医として手術に周術期管理に必死に頑張りながら、上司から『君にはSurgeonとしての素養がない』などと言われると、プッツンです。『何のために俺は、家族を犠牲にし、低所得に甘んじ、頑張ってきたのだろう?』と思うのはむしろ当然でしょう。
2の業務方針・内容への不満解消(12.2%)、5の経営方針・内容への不満解消(11.0%)は 修復不能な人間関係に帰着しそうです。程度の差こそあれ、多少なりとも人間関係がしっかり確保されている職場では、こういった不満は生まれにくいです。修復不能な人間関係は、絶対的転職理由になります。組織として立場が下であれば、転職は止むを得ないかもしれません。
こういった時は、次の職場で新たな医師人生をスタートさせればいいことだけだと思います。ただし、次の職場でも、そこでのしきたり、ないし、システムがあります。適応精神は必要だと思います。
4の大学医局人事への不満解消(11.0%)は、特に 外様医局員に多く見られます。“何故、あいつは市中の公的ブランド病院ばかりで、俺は僻地の民間病院や診療所なんだ”とか。旧帝国大学医局に地方大学から入局した場合、コネあり入局vs.コネなし入局など、でいわゆる外様医局員は発生しやすいです。
もちろん、学術、医局への忠誠心、卓越した医師の能力などで、エリートコースを歩む医局員、外様医局員となる場合もあります。医局人事への不満解消は、一度より2度目、2度目より3度目と増幅していきます。そういった場合は、はっきり言って見切りをつけて、転職支援サイトを活用して我が道を新たにスタートしたほうが、はっきり良いと思います。
6のスキルの活用・挑戦(10.7%)は、純粋に キャリアアップを目指してでしょう。既存の医療機関では、専門分野でのスキルアップは無理と判断していることでしょうから、理由としては良いと思います。その場合転職サイトの活用もさることながら、ダイレクトに入職希望のレターを出すのも大いにありです。
7の 転居(10.5%)は、女性医師が旦那に帯同する場合、Uターン、Iターン、子供の教育関連といろいろあるかと思います。このタイプの転職は概してスムーズにいきやすいです。
8の 収入アップ(9.4%)は、順位が低くて、意外に思いました。この背景には、日本人のお金のことを口にするのは倫理的・道徳的にどうかな?といった背景があるように思います。収入アップを転職の理由に入れないのは、実際のところあまりないようだと思いますが。余程忙しくなるならともかく、通常は転職理由のマストorワン・オブ・ベストreasonだと思います。
まとめ
医師の転職の主たる理由は、大別して6つ
精神的・肉体的回復不能な疲弊
修復不能な人間関係
外様医局員
キャリアアップ
転居
収入アップ
まとめ
転職サイトの選択と有効活用をご紹介します。転職サイトを活用するに当たり、5つのポイントがあります。
- 複数(できれば3社以上)の転職サイトへの登録をおすすめします
- ご紹介する転職サイトは匿名・非公開求人も多く、キャリアップ、収入アップ、ドクターの要望に適格に応えるでしょうし、信頼できると思います
- 医師の需給バランスは、まだまだ売り手市場(有効求人倍率約7倍)であることを肝に銘じてください
- 転職に当たり、譲歩・妥協はおすすめしません
- 最終的に複数の転職サイトからの案件を比較・検討し、転職を成功させてください
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