希少性と需給バランスから見た診療科の選択
『どの診療科に進もうか?』とは、若いドクターは大なり小なり、悩んで決めることだと思います。内科、外科、マイナー科、何を基準に選んだらいいでしょうか?
「尊敬する教授のところで学びたい!」、「親が開業医でこれを継承する」、「子供のころから外科医にあこがれていた」などなど、人それぞれあると思います。
私は30年のキャリアから、違った視点で考えてみました。
1.プロ中のプロになれば引く手あまた。
2.疾病はdecade(10年間)単位で大きな流行がある。
3.厚生労働省の梯子外しには要注意。
4.現在人気のない診療科は、10年~20年後大きな需要が起きる可能性がある。
1.私は、外科系、消化器外科系で8つの資格を取得しています。少し自慢が入りましたが、ご容赦ください。
それでも、プロ中のプロとは思っていません。ゲストスピーカーに招聘されることもまずありませんし、手術指導で遠隔地に呼ばれることもありません。一流ではなく、超二流と考えています。それでは、まだまだ上がたくさんいます。
超一流のプロ中のプロのドクターは、しっかり居ます。名誉、地位、報酬も相応して上がってくるわけですよね。例えば、脳神経外科医の“神の手”鍵穴手術で有名な福島先生は世界中を駆け巡っています。しかも、専用の秘書を二人したがえて。
まあ、ここまでなるのは、限りなくも無理としても、 その道のプロ中のプロになることは、想いの強さと興味があれば実現可能だと思っています。例えば、消化器外科であれば、腹腔鏡下胃切除、ダビンチ手術名手、肥満外科治療の名手、整形外科医で膝の人工関節置換で著明なドクター、眼科で白内障レンズ置換のプロ、外科領域でも挙げればきりがないです。
内科領域でも、消化器内科でESD(内視鏡的粘膜剥離)のプロ、メディカルオンコロジーで抗がん剤、分子標的治療薬、免疫チェックポイント阻害剤を臨機応変に使える、心臓カテーテルインターベンションのプロ、内科領域でも挙げればきりがないです。
こういったプロ中のプロになれば、ヘッドハンティングがいくらでも掛かってきます。都会の急性期病院で本業をこなしつつ、好条件で技術指導のオファーがひっきりなしにかかってきます。
専門領域を、さらに深堀し、唯一無二の存在になることです。大きな診療科の枠ではなく、 狭く深くです。これが希少性を生み、名誉、地位、高収入に確実につながります。
2.次に、疾病のdecade単位の大きな流行の変化ですが、糖尿病はもはや予備軍を含めると日本国民の1,000万人が対象とされています。新規治療薬の開発も進み、今では女性医師の増加も相まって、人気のある診療科となってきました。精神科・心療内科もストレス社会に応じて人気の診療科です。今後もしばらくは続くでしょう。
糖尿病腎症からくる慢性腎不全(CKD)も腎臓内科の需要を増加させています。
一方、はっきり下火の領域のあるのも事実です。肝臓内科では、ウイルス性肝炎の治療は、C型肝炎のインターフェロンからハーボニーの出現により、B型肝炎は出生時の感染制御、核酸アナログなどにより、対象患者が確実に減っていきます。その一方で、NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)の台頭が出てきていますが。
3.大腸カメラのポリープ摘出術は、厚生労働省が梯子を外してきました。高齢専用サービス住宅やグループホームも近未来は厳しくなる確立大です。厚生労働省は、病に深刻に悩んでいる患者さんで、それを治せる医師が少ない場合や需給バランスで、医師の圧倒的売り手市場の領域では梯子を外すことはありません。
4.現在、女性医師の数、割合の増加により、下火となっている診療科があります。そして、現在人気のない診療科には、10年後~20年後、当然圧倒的売り手市場が待っています。
結論は、希少性(狭く深い境域でプロ中のプロになること)、疾病のdecade単位の流行を予測すること、厚生労働省の梯子外しを予測すること、現在人気のない診療科は10~20年後に圧倒的売り手市場になること、などを検討して診療科を決めることも充分ありだと、これまでの経験値を振り返って考えてみました。
まとめ
転職サイトの選択と有効活用をご紹介します。転職サイトを活用するに当たり、5つのポイントがあります。
- 複数(できれば3社以上)の転職サイトへの登録をおすすめします
- ご紹介する転職サイトは匿名・非公開求人も多く、キャリアップ、収入アップ、ドクターの要望に適格に応えるでしょうし、信頼できると思います
- 医師の需給バランスは、まだまだ売り手市場(有効求人倍率約7倍)であることを肝に銘じてください
- 転職に当たり、譲歩・妥協はおすすめしません
- 最終的に複数の転職サイトからの案件を比較・検討し、転職を成功させてください
厳選した7つの医師転職サイト






