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研修医の選択ー医局に入るか否か?-

2018/03/02


『医局に入るか入らないか?』と迷っている研修医の皆さんもいらっしゃるかと思います。

少し古いデーターですが、「研修医」、「医局」でググって上位検索されたのが厚生労働省からのアンケートデータです。臨床研修医制度が始まってからの結果なので現在でもほぼ信頼はできるでしょう。

初期臨床研修医2年目の時点では、入局希望者は3分の1強です。実際の入局者は、後期研修医も入れると恐らく5割はしっかりと超えているとは思われます。

『医局に入るか入らないか?』に対しては、メリット・デメリットからいろいろな考えがあるでしょう。皆さんはどうでしょうか?

結論から申し上げますと、

web外科医は『入局した方が良い派』です。

医局に入ると、「先輩はじめ教授に気を使わないと!」、「納得いかない人事に振り回される!」、「医局費が高い!」、「雑用ばかり!」、「学会に出せ!論文を書け!」、「人間関係がややこしい!」などネガティブなイメージが湧いてきますよね。

こういったことは、見方・考え方を変えれば、以下のようになります。

「先輩はじめ教授に気を使わないと!」→「いかなる職場環境でも同僚や上司には気を使う必要がある!」

「納得いかない人事に振り回される!」→「暇な職場であれば、机上の学問のチャンスととらえる、過酷な職場であれば、体得できるチャンスととらえる」

「医局費が高い!」→「医師としての発展の授業料ととらえる」

「雑用ばかり!」→「雑用の経験が、昇進した時の部下の管理に生かされる」

「学会に出せ!論文を書け!」→「人間所詮怠惰なもので強制されることで、医師のプロフェッショナリズムに磨きがかかる」

「人間関係がややこしい!」→「医師は生身の人間を相手にしているからこそ、人間関係の構築が重要!」

入局のメリット

1.専門医・医学博士の取得
2.国内外の留学の機会
3.教授までの昇進の可能性
4.ネットワークの構築

1から4までのメリットは、非入局に比べ確かにあります。

入局する先の講座の教授がネームバリューがあり、講座のアクティビティーが活発であればあるほど、それははっきりしています。

1.専門医・医学博士の取得

専門医はこれからますます必須の資格となります。理由はいくつかありますが、第1に日本の国民皆保険制度と診療報酬点数表に基づく医療制度はまさにグローバルに誇れるものですが、これは人口増加と高度経済成長の産物で、これからの日本の人口ピラミッドを想定すれば、自ずと崩壊することは目に見えています。

日本の社会主義的医療制度は、そう長くはもたないでしょう。後期研修医が執刀する胃切除術も消化器外科指導医兼内視鏡外科技術認定医兼教授が執刀する胃切除術も同じ料金というのは、ほぼ日本だけです。日本の医療は米国に追随しています。米国では、外科であればSurgical Board(日本でいう外科専門医)を取得すれば給料はいきなり5倍になります。

話がそれましたが、専門医取得は勤務医にとり、マストアイテムにますます成っていきます。じゃあ何故入局がメリットあるのかということですが、講座は関連病院をいくつも所有しています。医局員のキャリアに応じて出向先を決めますし、専門医を取りたいという志向が伝われば、それに応じてくれます。

非入局であれば、余程努力と運がなければ、希少価値のある専門医の取得は困難となります。

医学博士は、最近あまり価値あるものと見られなくなってきましたが、やっぱり医学博士(Ph.D)はあった方が良いです。急性期病院や大学病院での昇進、ポストに「じわっと」効いてきます。中堅ドクターとなり、転職の機会が生じても、有利な条件となります。英語論文を書く必要があるため、研究、勉強もしなければなりません。 医師の幅、深みを医学博士取得により得ることができます。

入局イコール大学所属となるわけで、大学院進学も容易となりますし、医学博士取得は入局がマストとなります。

2.国内外の留学の機会

留学は、他流試合であり、井の中の蛙を回避する手段であり、医師の知識・経験を深める機会であり、家族と共で海外であれば、グローバルの風に触れる絶好のチャンスです。医局に在籍し、教授の交流ネットワークが広いほど、そのチャンスは広がります。

海外留学ともなれば、お金はかかります。ただし、借金取りに追われるほどにはなりませんし、web外科医も海外留学の時が、お金はあまりなかったですが、人生で大変楽しかったです。

3.教授までの昇進の可能性

教授になることが望ましいか否かは別にして、医学のあるフィールドで結果を成し遂げたドクターに与えられる称号と理解しています。若手ドクターで漠然とでも、想いがあれば、入局は必須の選択です。

4.ネットワークの構築

入局することで、「関連病院を回る」、「学会に参加する機会が多い」など、イコールネットワークを構築するチャンスが広がります。

まだまだ入局のメリットはいろいろありますが、 入局を絶対オススメしているわけではありません。非入局でもネームバリューのあるドクターはたくさんいらっしゃいますし、経済的にも成功しているドクターは恐らくたくさんいらっしゃるでしょう。しかしながら、一つ言えることは『一回入局してみるのはいかがですか?』です。入局して、自分に合わなければ辞めればいいだけです。確実にスムーズに退局する方法

入局しながらもオススメ転職サイトはあります。医療情報とドクターの市場価値の客観的判断が可能です。

 

まとめ

転職サイトの選択と有効活用をご紹介します。転職サイトを活用するに当たり、5つのポイントがあります。

  • 複数(できれば3社以上)の転職サイトへの登録をおすすめします
  • ご紹介する転職サイトは匿名・非公開求人も多く、キャリアップ、収入アップ、ドクターの要望に適格に応えるでしょうし、信頼できると思います
  • 医師の需給バランスは、まだまだ売り手市場(有効求人倍率約7倍)であることを肝に銘じてください
  • 転職に当たり、譲歩・妥協はおすすめしません
  • 最終的に複数の転職サイトからの案件を比較・検討し、転職を成功させてください

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