ドクターは、年代、ビジョン、事情に応じて転職を検討することがあります。医療コンサルタントにはわかりにくい内部事情に精通しているこの道30年のベテラン医師が、医師転職を網羅的に解説します。転職を検討中のドクター、効率的なアルバイトをお探しのドクターは必見!

論文vs.学会

2018/03/16

「医学論文と学会発表どちらが価値あるの?」というテーマです。

そりゃ当たり前だろ!論文だ!当然正解です。

論文は、通常査読があります。査読(さどく、英: peer review)です。専門家の第3者が複数(通常は3人)で客観的評価をするわけですよね。いわば、知らない人たちから、厳しく評価されるわけです。しばしば、自尊心が傷つけられますし、「何でや!」となるわけです。

インパクトファクターが上がれば上がるほど、査読の関門を潜り抜けるのは至難の業と成ります。それだけに、in pressとなった暁には大いに喜びがあります。

学会は、余程難易度の高い学会でなければ(例えば消化器領域であれば、DDWなど)、概ねpassします。厳密な査読はありません。学会は参加者を募ってこそ赤字無く成り立つわけで、筆頭演者として、参加してもらった方が、余程難易度の高い学会じゃない限り、妥当な選択となるわけです。

論文と学会、 一番の違いは「歴史に名が残るか否か」です。論文はしっかりと歴史に名を刻みます。IFの高い論文に筆頭もしくはコレスポンディングでどれだけ名を残すことができるかです。

医中誌にしろPubMedにしろ、インターネットがこの世に存在する以上は、世界中からググれますよね。

IF2以上の英語原著論文を1本でもあれば、医師としてのアカデミズムに自信がつきますし、箔がつきます。これだけは自信を持って言えます。

ドクターライフの理想は、臨床・ 学術・教育です。これがバランスよく整っていれば、百人力です。臨床は、対患者の基本であり、学術は医師としての深み・厚みであり、教育は集大成です。

もちろん、学会発表も価値あります。国際学会ともなれば、観光、グローバリズムの涵養、リラックスタイム、などなど付加価値もたくさんついてきます。

また、大手を振って休暇が取れますよね。「ちょっと学会に行ってきます」と。学会はもちろん学術のCV記載の案件になるわけですが、論文は、特に英語原著論文ともなれば、CVに輝きをもたらせます。

日本人医師として、英語論文の初執筆は、一部の秀才・天才を除いては、通常ものすごく時間がかかります。一センテンスで丸一日もありです。参考文献でマネできるところはマネして、それらをつなぎ合わせて、イントロダクションなり、マテリアルandメソッドなり完成させて、result、discussionなり仕上げて、それはそれは大変な作業となります。

一本出来れば、二本目、三本目は、あたかも蒸気機関車のように、加速力がつき早く、正確になってきます。初めの一歩をいかに頑張るかにかかってきます。

これを経験すると、日ごろの実臨床は、左程大したこととは思えなくなります。それが、職業人医師としての総合的なプロフェッショナリズムの醸成のような気がします。

学術にしばらく没頭希望のドクターには、領域を見極めたうえで、学会と論文に多く出している(基礎でも臨床でも)を検索して、直接または転職サイトも含めてアプライすることが、最短確実な手法と思います。

アプライ目的は「私は、先生の業績に感銘を覚えました。是非、先生のところで勉強したい、頑張りたい」、これでよいと思います。そこで、石の上にも三年の粘りでやれば、きっと花咲く結果になると思います。

『論文vs.学会』

まとめ

転職サイトの選択と有効活用をご紹介します。転職サイトを活用するに当たり、5つのポイントがあります。

  • 複数(できれば3社以上)の転職サイトへの登録をおすすめします
  • ご紹介する転職サイトは匿名・非公開求人も多く、キャリアップ、収入アップ、ドクターの要望に適格に応えるでしょうし、信頼できると思います
  • 医師の需給バランスは、まだまだ売り手市場(有効求人倍率約7倍)であることを肝に銘じてください
  • 転職に当たり、譲歩・妥協はおすすめしません
  • 最終的に複数の転職サイトからの案件を比較・検討し、転職を成功させてください

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