都道府県別医師の年収―なぜそうなる?-
都道府県別医師の年収が、厚生労働省の「2015年賃金構造基本統計調査」で公開されました。年収の推計値が最も高かったのは岩手県で約1851万円、最も低かったのは大阪府で約816万円。ただし、岩手県の平均年齢56.1歳だったのに対し、大阪府35.1歳で大きな開きがあります。全体的な傾向として、医師不足地域は平均年齢とともに年収の推計値も高く、都市部はいずれも低い結果です。
調査は、2015年7月に、医療や福祉などを含む16大産業の民間事業所を対象に、一定の方法で抽出。10人以上の常用労働者を雇用する5万785の事業所を集計対象としています。医療機関の場合は、国立病院機構と都道府県、市町村立の病院など地方公営企業の運営する病院以外が対象で、国立大学法人や学校法人なども含まれます。通常の開業医は入っていません。
下記の表から言えることは、医師の平均年収は、ある程度の年齢と需給バランスに依存するということです。
ある程度の年齢になれば、実績を含め、それなりの役職がついてきます。医長、科長、部長、統括診療部長、副院長、院長ですね。
大学病院では、助教、講師、准教授、教授ですね。ただ、大学病院は、単独では、平均医師年収に比べ薄給であることは言うまでもありません。
ただし、この都道府県別医師の年収データーにはアルバイトが含まれていません。したがって、現状はこれより高額になるわけです。研修日と土日のアルバイトで収入アップ
東京や大阪、福岡は平均医師収入からは厳しいです。これは、需給バランスが如実に反映されているように思います。人口と医学部のある大学数から見ますと、東京は東京大学、慶應義塾大学、東京医科歯科大学、東京慈恵会医科大学、順天堂大学、日本医科大学、昭和大学、東京医科大学、東邦大学、日本大学、杏林大学、東京女子医科大学、帝京大学、と13校あります。人口は1374万 (2015年)です。一校当たり、106万人をカバー。
大阪は大阪大学、大阪市立大学、大阪医科大学、関西医科大学、近畿大学、と5校あります。人口は883万(2017年)です。一校当たり、177万人をかばー。
福岡は九州大学、福岡大学、産業医科大学、久留米大学、と4校あります。人口は505万(2012年)です。一校当たり、126万人をカバー。
一方、トップの岩手県は岩手医科大学一校。人口は127万(2015年)です。一校当たり、127万人をカバー。需給バランスから見れば、あまり大したことは無いように思います。2位の鹿児島県は鹿児島大学一校。人口は163万人(2017年)です。一校当たり、163万人をカバー。
需給バランスで行けば、大阪府が平均収入のトップになりそうですが、さもあらずです。大阪は、近隣の県や全国から医者が集まってくるのでしょうか。それとも、大阪の商売気質で厳しくなるのでしょうか。
岩手県は、需給バランスから解析すると、福岡とほぼ同様になってもおかしくありません。
ここに、ドクターの都会志向とキャリアアップ嗜好が関与してくるのだと思います。東京や大阪の急性期病院でのキャリアップ志向は非常に根強いです。やはり、全国から集まってっ来るのでしょうね。
都会の急性期病院で、スキルアップ、キャリアアップを図り、地域の中核病院で、好条件、好待遇で招聘されるパターンもありのような気がします。この場合は厳選転職サイトに複数登録がかなり役に立ちます。
まとめ
転職サイトの選択と有効活用をご紹介します。転職サイトを活用するに当たり、5つのポイントがあります。
- 複数(できれば3社以上)の転職サイトへの登録をおすすめします
- ご紹介する転職サイトは匿名・非公開求人も多く、キャリアップ、収入アップ、ドクターの要望に適格に応えるでしょうし、信頼できると思います
- 医師の需給バランスは、まだまだ売り手市場(有効求人倍率約7倍)であることを肝に銘じてください
- 転職に当たり、譲歩・妥協はおすすめしません
- 最終的に複数の転職サイトからの案件を比較・検討し、転職を成功させてください
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