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麻酔科が女性医師に人気の理由とは?

2018/02/22

『麻酔科が女性医師に人気の理由とは?』を現役麻酔科女性医師に聞いてみました。“フムフム”と納得した次第です。

1.麻酔科のプロフェッショナリズムが比較的早く構築できる。

2.患者さんを持つことはペインクリニックや集中医療兼任以外は無く、土日、夜間、緊急で呼ばれることはない。

3.結婚、出産、育児があっても、リカバー率が極めて高い。

4.結婚率が高く、意外と旦那さんは外科医が多い。

5.フリーランス含めフレキシビリティが高い。

1のプロフェッショナリズムの早期構築について

日本麻酔科学会は認定医、専門医、指導医制度を設けています。はっきり、医師となり急性期病院で5年も麻酔経験があれば、専門医は取得できるようです。そうなると標準的な麻酔はほぼ問題なく可能です。

一方、外科専門医も丸5年で取得できますが、標準的な手術さえイニシャチブを取り手術するのはまだ不可能となります。標準的な開腹胃切除・結腸切除もスーパーバイザーの指導のもと、執刀となるのが実情です。

つまり、ここで結婚、出産、育児などブランクを生じれば、専門分野のスペシャリティを磨くことは、ほぼギブアップとなるわけです。

麻酔科専門医を取得し、心臓血管外科麻酔まで手を伸ばせば、麻酔科医としてのプロフェッショナリズムはほぼ確立するわけですね。“フムフム”

麻酔科のドクターは、手術を受ける患者の術前アセスメントを行い、リスクファクターを加味し、基本、「ライン確保、導入、挿管、維持、覚醒、退室、術直後アセスメント」、この一連の流れを滞りなくプロとして淡々と行う、これぞ麻酔科医です。

一度確立すれば、しっかり身につきますので、多少のブランクは、あまりマイナスにはならないと思います。

2の緊急で呼ばれることはない。

これは、あくまで緩和、ペインクリニック、集中医療を併任しないという条件のもとでです。集中治療となれば、とんでもない負担が降りかかってきます。

もちろん、急性期病院では、緊急手術対応の義務が回ってきます。しかし、その他でコールがあることはありません。計画性をもって日常生活が送れるわけですね。

これは、QOL重視、ワークライフバランス重視、結婚されている女性医師には魅力的だと思います。土曜日の夜、家族団欒中に“患者さんが急変しました”“緊急手術必要な患者さんが緊急外来に来ています、すぐ来てください先生!”と言われる状況とは違います。

3のリカバー率が高い。

術前アセスメント、ライン確保、導入、挿管、維持、覚醒・抜管、退室、術直後アセスメント、これらの麻酔科医の鉄板路線を一度確保できれば、そうすぐには忘れませんし、しばらく臨床の場を離れていても、“かん”は比較的すぐ取り戻せると思います。

外科は、次から次に手術を常にこなしていなければ、自身を失いますし、“久しぶりで失敗しました”というわけにはいきません。

プロフェッショナリズムを維持しつつ、家庭生活を両立できる、これは女性医師にとり麻酔科選択の大きな理由になると思います。

4の結婚率が高く、意外と旦那さんは外科医が多い。

結婚率が高いというのは頷けますが、旦那さんが外科医が多いというのは、現役女性麻酔科医に聞いて、納得できました。麻酔科医は外科医と同様の“手術という一発勝負の場で患者さんを治す”ということに生きがいを持っています。つまり、価値観が共有しているわけですね。

次に、これも以外でしたが、医学生の頃からの付き合いで、「俺は外科医で行く。私は麻酔科で行くわ。」となるケース。同じ価値観と将来設計です。

周りを見れば、少なくとも3組はありました。

5のフリーランス含めフレキシビリティが高い。

昨今話題となりました麻酔科医のフリーランス化です。フリーランスでは、常勤とは違い拘束性がない、医局にしばられない。高収入を期待できる、といったベネフィットがあります。女性医師には、フリーランスベネフィットを生かしたライフスタイルもありだと確かに思いました。

まとめ

麻酔領域は今でも地域や小規模病院では外科医が麻酔をかけていることもあります。しかしながら、これは自然に淘汰されます。麻酔科専門医がかけるべきで、需要はまだまだしっかりあります。外科医も、麻酔科専門医が麻酔をかけてくれると安心感が全く違います。女性医師に限らず、麻酔に興味あらばオススメの診療科と思います。

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